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福顔酒造（新潟県三条市）

福顔の社名の由来と理念

新潟県三条市下田に、三条市で唯一の酒蔵「福顔酒造」あります。
福顔というちょっとユーモラスな名前は、「飲んで思わずニコニコするうまい酒であってほしい」という創業時の理念なのだそうです。

人の手造りを極める

年間生産石数８００石ほどの小さな酒蔵ではありますが、日本酒は機械に頼らず人の手で造るもの、という本来の造り方を今に伝えている貴重な酒蔵です。

創業期から続く歴史

その創業は明治３０年で、当時は屋号を「宇寿屋（うすや）」としていました。
福顔と松風という二つの銘柄を販売していましたが、統制により福顔が残りました。

新潟で一番の軟水が五十嵐川

この地を流れる五十嵐川は信濃川の支流で、その水は新潟一の軟水といわれています。
余りに良質なため、浄化する際は「緩速濾過」という方法がとられています。
これは薬品を使わずに細かい砂の濾過層に水を通して安全な水を得る方法で、自然水にとても近い仕上がりになり、酒造りに非常に適しています。

酒造りに選ぶ新潟米を磨く

使用する米は地元で採れる「五百万石」と兵庫県産の「山田錦」で、特に高級酒を造る際には山田錦を４０％まで磨いてその上質さを引き出しています。

酒造りの決め手は越後杜氏と蔵人の技

豊かな米と上質な水に恵まれた福顔酒造ですが、その酒造りの決め手になるのは何といっても長年の経験に研ぎ澄まされた越後杜氏と蔵人の「五感」です。
繊細で複雑な日本酒造りの全工程において、杜氏と蔵人の丁寧な気配りと熟練の技が行き届き、その酒造りを完成へと導くのです。
その紳士な酒造りは数々の素晴らしい新潟地酒を造りだしてきましたが、中でも代表銘柄「越後五十嵐川」は鑑評会で３年連続金賞を受賞するという高い評価を得ています。

福顔酒造の数々の銘酒

創業当時の屋号を冠した「宇寿屋」は三条産の酒米・越淡麗を使い手作業による自然袋絞りで丁寧に仕上げられた逸品です。
また地元三条にちなんだ酒「えちご只今さんじょう」は１２月から３月の厳冬期にしか味わえないお酒で、フレッシュな香味が人気を博しています。
上質な原料を使い、造り手たちの洗練された技術で醸しだされたこの蔵の銘酒を味わえば、思わずにっこりと笑みがこぼれることでしょう。